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オウンドメディア制作|自社で10年運用した記録を、止まった年も含めて公開します

オウンドメディア制作|自社で10年運用した記録を、止まった年も含めて公開します

オウンドメディアの制作を検討しはじめると、最初に出てくるのは「いくらかかるか」ではなく「本当に続けられるのか」という不安です。この記事は、その不安に対して当社(GrowGroup)が自社で運用している記録と、実際に見込み客からいただいた質問を材料に、判断の順番を整理したものです。

先に立場を明かします。当社は名古屋のWeb制作会社で、コーポレートサイトを中心に264件の制作実績を公開しています。同時に、自社サイトでもナレッジブログという名前のオウンドメディアを2016年から運用しています。10年分の公開本数と検索データが手元にあり、そこには伸びた年も止まった年も残っています。この記事では、その記録をできる範囲で開示します。

先に結論

  • オウンドメディアは「別サイトを作ること」ではありません。当社で情報発信を目的に制作した実績22件のうち、独立したオウンドメディアとして構築したのは1件で、大半はコーポレートサイトの中に情報発信の機能を持たせています。
  • 本数を積む計画より、当たった記事を育てる計画のほうが現実に近いです。当社サイトで検索クリックを集めている記事は、公開済み289本のうち上位数十本に偏っています。
  • 立ち上げ直後に成果は出ません。当社サイトで2026年6月4日〜7月3日の30日間にクリックを集めた上位10本は、公開年の中央値が2020年でした。
  • 更新が止まっても、過去の記事は流入を出し続けます。当社は2025年に1本も公開していません。それでも同じ30日間で、記事ページがサイト全体の検索クリックの52.4%を占めています。
  • 費用は「構築費・記事制作費・運用費」の3層で見ます。構築費と運用費は公開FAQに実例がありますが、記事の単価は要件で変わるため一律には出せません。
  • 誰が書き続けるのかを決めていない状態で発注すると、いちばん高くつきます。社内に書き手がいない場合の選択肢は、取材代行・記事代行・担当者育成の3つです。

見積の相談は https://grow-group.jp/contact/estimate/ から承っています。要件が固まっていない段階でも構いません。

当社のオウンドメディアは、2025年に1本も公開できなかった

自社ナレッジブログの年別公開本数。10年で289本、止まった年もある

0本20本40本60本80本2016201720182019202020212022202320242025202613715354222351060本32

出典:grow-group.jp で公開している記事を公開年で集計(2026年7月時点)。2026年の32本には直近に公開したものを含みます。運用が止まっても過去の記事は検索流入を出し続けますが、止まれば新しい入口は増えません。

そもそも「オウンドメディア制作」は何を作ることなのか

オウンドメディアは、自社で所有し、自社で発信をコントロールできるメディアを指します。広告枠を買う媒体(ペイドメディア)でも、SNSでの評判(アーンドメディア)でもなく、自社の資産として蓄積されていく点が特徴です。

ただし、実務上の「制作」には少なくとも3つの形があります。ここを分けずに見積を取ると、金額が3倍違っても比較できません。

作るもの向いているケース
既存サイトの中に置くコーポレートサイトの下層に記事機能(カテゴリ・タグ・検索・関連記事)を実装する会社の信頼性と記事を同じドメインで積み上げたい。運用人数が少ない
サブディレクトリ/サブドメインで切り出す同一ドメイン配下に独立した見た目とナビゲーションを持つメディアを構築する記事の量が多く、コーポレートサイトの回遊と混ざると使いにくくなる
別ドメインで独立させるブランドも設計も別のメディアとして新規構築する会社名を前面に出さずに読者を集めたい。事業と読者層がずれている

多くの相談は、いきなり3つめから始まります。ですが当社の実績を数えると、実態はほぼ逆です。

当社の実績で「情報発信が目的」の案件は、ほとんどが独立メディアではない

当社の制作実績(works)は公開264件です。このうち、目的として「情報発信」が設定されている案件は22件あります。その22件を、サイトの区分別に数え直したものが以下です(1件に複数の区分がつく場合があるため、合計は22を超えます)。

サイト区分件数
コーポレートサイト15
採用サイト3
サービスサイト2
オウンドメディア1
LP1
WEBシステム1

情報発信を目的に掲げた案件の大半は、独立したメディアではなくコーポレートサイトとして実装されています。当社の実績全体で、区分そのものが「オウンドメディア」になっているのは3件だけです。

この数字は、当社の得意分野が偏っているという読み方もできます。ただ実務の感覚としては、「まず別のメディアを立てる」という前提を外したほうが、初期投資も運用負荷も下がるケースが多いというのが正直なところです。会社の情報とノウハウ記事が同じドメインにあると、記事を読んだ人がそのまま会社概要や実績に移動できます。逆に別ドメインにすると、読者を集めたあとに自社へ戻す導線を別途作らなければなりません。

質問1「何記事書けばいいですか」への答え方

これは予算化の直前にほぼ必ず出る質問です。「100本」「まず30本」といった数字を聞きたくなりますが、当社の自社データを見ると、本数そのものより当たる記事の割合を先に理解したほうが計画が立てやすくなります。

当社のナレッジブログは、2016年11月から2026年7月までに289本を公開しています。2026年6月4日〜7月3日の30日間で、サイト全体の検索クリックは1,964回、表示回数は96,858回でした(全体のCTRは合計÷合計で2.03%)。

このうち記事ページ(/archives/配下)に絞ると、集計に現れた記事は270本、合計クリックは1,029回です。サイト全体の検索クリックの52.4%が記事ページから発生しています。会社案内やサービス紹介のページより、記事のほうが入口になっているということです。

一方で、その270本の内訳は極端に偏っています。

項目実測値(2026年6月4日〜7月3日の30日間)
集計に現れた記事ページ270本
そのうち期間中のクリックが0だった記事162本(60.0%)
記事ページの合計クリック1,029回
上位6本で占める割合記事クリックの約50%
サイト全体クリックに占める記事ページの割合52.4%

10年かけて289本を公開して、ある1か月で実際にクリックを生んでいるのは100本ほど、その半分は上位6本が持っていく、という構造です。「何本書けば成果が出るか」ではなく「当たった数本をどう見つけて、どう厚くするか」が運用の本質になります。

ですので、当社が最初の提案でお伝えしているのは次の考え方です。

  • 初期はキーワードの当たり外れを見るための本数を確保する。ここは量が必要です。
  • 公開後は、表示回数が出ているのにクリックが取れていない記事を優先して手を入れる。
  • クリックが伸びた数本に対して、図表・事例・データを足して厚くする。
  • まったく動かない記事を全部直そうとしない。絞り込みが運用計画そのものです。

なお、この分布は当社1サイトの実測であり、業種や競合状況によって変わります。ここから「◯本必要」という一般解は導けません。

質問2「どれくらいで成果が出ますか」

決裁者がいちばん気にする質問です。ここで期間を断定すると、あとで必ず食い違います。当社ができるのは、自社サイトで実際に何が起きているかを開示することだけです。

同じ30日間で、クリック上位10本の公開年を並べると次のようになります。

順位公開年期間内クリック
12018年216
22020年163
32019年50
42020年43
52023年36
62021年35
72019年30
82021年27
92018年23
102022年18

公開年の中央値は2020年で、2026年に公開した記事は上位10本に1本も入っていません。当社は2026年に入ってから記事の公開を再開しましたが、その分は今回の集計期間ではまだ動いていません。

これを「6年かかる」と読むのは誤りです。順位は競合とキーワードで決まるため、期間と成果を因果でつなぐことはできません。読み取れるのは「今月公開した記事が今月の数字を作ることはない」という順序の話だけです。予算稟議のスケジュールを組むときは、公開月と評価月をずらして設計してください。

最大の流入源が「8年前の記事」であること

この30日間で最もクリックを集めた記事は、2018年2月に公開したものです。タイトルは「WordPressを利用したサイト事例20選【2026年版】8年前に紹介した20サイトを全件再調査しました」で、本文は14,860字あります。

タイトルが示すとおり、これは新しく書いた記事ではなく、古い記事の内容を調べ直して使い続けているものです。当時紹介した20サイトが今どうなっているかを再調査して、記事の中身を入れ替えています。

オウンドメディアの制作を検討する段階では、どうしても「何本作るか」に意識が向きます。ですが実際に効いてくる作業の多くは、公開済みの記事を調べ直して書き換えることです。制作会社に依頼する価値も、初期構築より運用フェーズのほうが大きくなる可能性があります。発注前に、リライトの体制と費用まで含めて確認しておくことをおすすめします。

質問3「書き続けられなかったらどうなりますか」

いちばん答えにくく、いちばん正直に答えるべき質問です。ここでは当社自身の記録を出します。Web制作会社である当社も、更新が止まった年があります。

公開本数本文の文字数(中央値)
2016年(11月開始)133,241
2017年712,284
2018年533,397
2019年543,226
2020年223,017
2021年232,904
2022年53,450
2023年103,447
2024年64,229
2025年0
2026年(7月時点)328,779

2017年に71本まで伸ばし、2022年に5本まで落ち、2025年は1本も公開していません。2026年に体制を組み直して再開したのが現在です。

この曲線は特殊なものではないと考えています。立ち上げ直後は勢いがあり、担当者の異動や繁忙で本数が落ち、やがて誰も触らなくなる。オウンドメディアが失敗と呼ばれるときの実態は、たいていこの形です。

ただし、止まった期間に何も起きなかったわけではありません。公開を止めていた2025年をはさんでも、記事ページはサイト全体の検索クリックの半分以上を出し続けています。過去に書いた記事は消えず、検索から人を運び続けます。

ここから導ける実務的な結論は2つです。

  • 止まってもゼロにはなりません。「続けられないならやらない」という判断は、必ずしも合理的ではありません。
  • ただし止めた期間、新しい入口は増えません。伸ばしたい時期には、必ず人と時間の確保が要ります。

発注前に決めておくべきなのは、公開ペースの数値目標ではなく、「月に何時間を、誰の工数から出すか」です。ここが空欄のまま構築だけ進むと、公開直後から本数が落ちます。

質問4「1記事はどれくらいの分量が必要ですか」

当社が2026年に運用を再開してから公開したSEO記事19本について、実測値を出しました。文字数は本文からタグと空白を除いたものです。

項目実測値(n=19)
文字数の中央値9,636字
文字数の最小/最大7,971字/21,210字
8,000字以上の記事17本
19本の合計文字数208,221字
H2見出しの数(中央値)14(10〜18)
表の数(中央値)6(19本すべてに1つ以上)
本文中の画像10本に掲載・合計64点

数字だけ見ると分量が多く見えますが、これは字数を目標にした結果ではありません。当社が社内の基準として置いているのは次の3点です。

  • 読者の質問を1本の記事に何個入れられるか。
  • その回答に、社内で検証できる根拠(実績データ・実測値・公開FAQ)を何点添えられるか。
  • 表と図で、読まずに判断できる箇所を何か所作れるか。

結果として19本すべてに表が入り、中央値で6点になりました。文字数は目的ではなく、根拠を並べた結果として増えるものです。「1記事◯字」で外注仕様を決めると、根拠のない文章で字数だけが埋まります。

なお当社では、公開前に品質チェックの運用ルールを文書化し、公開した記事をID単位で台帳管理しています。数字を含む記述は、書いた人とは別に再計算して一致を確認してから公開する運用です。オウンドメディアを社外に委託する場合は、納品物の仕様より「公開前に何を検証するか」を先に握った方が、後戻りが減ります。

質問5「社内に書ける人がいません。誰が書くんですか」

公開FAQに実際にいただいた質問として、原稿作成が得意でないので依頼できるかという内容があります。回答は、取材を通じた原稿対応が可能というものです。また別のFAQでは、SEOの内部対策などの最適化は標準で対応し、キーワードの調査から上位表示の可能性の判断まで対応でき、記事代行のサービスもあると案内しています。

さらに、社内にWebに詳しい人がいないので担当者を育成してほしいという質問もいただいており、こちらは上級プロデューサーによるWeb担当者向けの育成研修と、独自カリキュラムの作成で対応しています。

整理すると、書き手の確保には3つの道があります。

方式向いているケース注意点
社内で書く専門知識が社内にしかない。現場の一次情報が価値になる担当者の工数を確保できないと止まる。編集の担い手も必要
取材して制作会社が書く知識はあるが書く時間がない。品質を一定に保ちたい取材の時間は社内から出す必要がある
記事制作を委託する本数を確保したい。立ち上げ期に量が要る自社にしかない情報が薄くなりやすい。テーマ設計は自社で持つ

実務では、この3つを混ぜるのが現実的です。一次情報が要る記事は取材、調べれば書ける記事は委託、と分けるのが運用を長持ちさせます。当社の記事も、社内の実測データを使う記事と、公開情報を整理する記事で作り方を変えています。

質問6「費用はいくらかかりますか」

オウンドメディアの費用は、1つの見積書に見えて中身は3層です。相見積を取るときは、この3層が同じ粒度で書かれているかを確認してください。

含まれるもの発生のしかた
構築費設計、デザイン、コーディング、CMS実装、マニュアル、レクチャー初回のみ
記事制作費キーワード設計、構成、取材、執筆、図表、入稿本数に応じて継続
運用費サーバー・CMSの保守、解析レポート、改善施策の立案と実施月額で継続

構築費の実例

当社の公開FAQには、リニューアルの費用例として実際の内訳が掲載されています。20ページ・10画面のデザイン・フォーム1つ・WordPress・マニュアルとレクチャーを含む構成で、3,078,720円(税別)という例です。内訳はディレクション513,120円、ワイヤーフレーム313,600円、デザイン824,000円、HTML560,000円、WordPress構築772,000円、その他96,000円と公開しています。

別のFAQで、新規制作とリニューアルで単価はおおむね同様と案内しているため、新規構築の目安としても参照できます。また500万円規模であれば40ページ・20画面という案内も出しています。

運用費の実例

アクセス解析のレポートについては、月30,000円ほどという案内を公開FAQに掲載しています。レポートを不要とする場合はGA4を導入して数値を共有する形です。

保守は、納品後1か月の軽微な修正と1か月半後のクロージング打ち合わせを無償の範囲としており、有償ではサーバー保守、WordPress保守、月4時間以内の定期修正、技術サポートを提供しています。

公開後の改善については、アクセス解析レポート、改善施策の立案、改善施策の実施、定期報告の打ち合わせという内容でWebコンサルティングを提供しており、毎期KPIを立てながら月次で報告する形を取っています。

記事制作費だけは、一律に出せません

当社の公開FAQには、記事1本あたりの単価は掲載していません。取材の有無、専門性、図表の点数、監修の要否で必要な工数が大きく変わるためです。相場として一律の数字を出すことはできますが、それを見て発注しても実際の見積とは一致しません。

この部分は、想定する記事の種類(調査記事か、取材記事か、比較記事か)と本数を伝えていただければ、個別に算出してお出しします。見積フォームから、現在の状況だけでもお知らせください。

質問7「制作期間はどれくらいですか」

公開FAQでは、300万円前後・20ページ規模のコーポレートサイトについて「おおむね5カ月半~8カ月程度」と案内しています。同じFAQの中で、社内の打ち合わせが合計13回、クライアント側との打ち合わせが10〜15回という目安も示しています。

体制については、プロデューサー、ディレクター、設計、デザイン、コーダー、WordPressエンジニアの合計6名という構成をFAQで公開しています。

オウンドメディアの場合、この構築期間に加えて初期記事の準備期間が必要です。公開初日に記事が3本しかないメディアは、読者にも検索エンジンにも評価されにくくなります。構築の後半とキーワード設計・執筆を並行させる前提でスケジュールを引いてください。

進行中の変更については、各工程(ワイヤーフレーム、デザイン、HTML、WordPress実装)に3回ほどの修正期間を設けており、追加の要望は別途見積のうえ承認を経て進める運用です。プロジェクト進行中のキャンセルは、工程の消化分のみを精算します。記事の差し戻しが何回まで含まれるかは、契約前に必ず確認してください。

質問8「CMSは何を使いますか。WordPressで大丈夫ですか」

当社では制作サイトの9割方にCMSを搭載し、WordPressで制作しています。納品時には40ページ前後の独自マニュアルを用意し、エンジニアによる1時間半のレクチャーを実施しています。

セキュリティについては、WordPressのデフォルト状態ではログイン画面やユーザーの割り出しがしやすい場合があるという前提に立ち、技術書籍を発刊しているエンジニアがセキュリティを考慮した要件で納品しています。第三者機関によるOWASP TOP10基準の診断にも対応可能です。

オウンドメディアはコーポレートサイトより更新頻度が高く、触る人数も増えます。権限設計、下書きレビューの流れ、公開前チェックの仕組みを構築時に決めておくかどうかで、運用のしやすさが変わります。納品後にこれを足すのは、最初から入れるより手間がかかります。

業界データで語れないこと

この記事では、他社のオウンドメディアを分析した平均値や中央値を出していません。理由を書きます。

当社は自社で構築したサイトのアクセスデータを、許諾を得た範囲で集約して分析しています。しかしこの母集団の中で、区分がオウンドメディアになっているサイトのうちGA4が接続されているのは11サイト・8事業者にとどまります。そのうち1事業者だけで全セッションの約4割、上位3サイトで85%を占めています。

さらに確認すると、この区分には外部のプラットフォーム上に置かれた記事一覧ページが混ざっており、これは自社所有のメディアとは言えません。加えて1サイトは、セッション数を大きく上回るコンバージョン数が記録されており、計測設定の異常が明らかです。

この状態で中央値や平均を出すと、実質1〜2社の姿を業界の傾向として語ることになります。数字の見た目は立派になりますが、根拠としては成立しません。ですのでこの記事では、他社データからの一般化は行わず、自社の運用記録と公開FAQに限定しています。

もし比較検討中の提案書に「◯◯社のメディアを分析した結果」という記述があれば、母集団の数と、1社が占める割合を聞いてみてください。答えられない場合、その数字は判断材料にしないほうが安全です。

当社のオウンドメディア制作実績

当社が区分としてオウンドメディアで公開している実績は3件です。件数が少ないため、正直に3件のまま掲載します。

株式会社ガモウ様

株式会社ガモウ様 オウンドメディアのトップページ
株式会社ガモウ様/区分:オウンドメディア/公開:2025年2月26日/制作期間:5カ月/規模:5ページ+353記事の引き継ぎ/CMS:WordPress/体制:6名(実績詳細

創業100周年を見据えたプロジェクトで、当社は「既存のニュースコンテンツを独立させたオウンドメディアを構築」しました。対応範囲は企画・戦略から要件定義、コンテンツ企画・設計、UI/UX、デザイン、CMS、SEO、データ分析、運用支援までです。

この案件で参考にしていただきたいのは、新規ページが5ページなのに対し、引き継いだ記事が353本あるという構成です。既に情報発信の蓄積がある企業のオウンドメディア構築は、ゼロから作る作業ではなく、既存資産をどう移し替え、どう再編するかの作業になります。移行対象の記事本数とカテゴリ構成の整理が、見積の大半を左右します。

背景として、既存のコーポレートサイトが構築から5年でデザインの老朽化とセキュリティ上の脆弱性を抱えていたこと、過去にサーバーダウンを経験していたこと、紙媒体で30年以上続けてきた情報発信をWebへ展開したかったことが記録されています。オウンドメディアの相談は、こうしたサイト全体の課題と同時に出てくることが少なくありません。

株式会社新潮社様

株式会社新潮社様 制作実績のサムネイル
株式会社新潮社様/区分:オウンドメディア(実績詳細

eduJUMP!|一般社団法人 センターフォーイノベーション様

eduJUMP! 制作実績のサムネイル
eduJUMP!|一般社団法人 センターフォーイノベーション様/区分:オウンドメディア(実績詳細

この2件は公開ページに掲載している情報が限られるため、期間やページ数の記載は控えます。詳細が必要な場合は、お問い合わせいただければ可能な範囲でご説明します。

制作会社に依頼するかどうかの判断

ここまで慎重な話が続いたので、逆側も明示します。次の条件に当てはまる場合、外部に依頼する価値は高くなります。

状況依頼する価値
既に記事が数十〜数百本あり、活かしきれていない高い。移行と再編は自社で組みにくく、失敗すると流入を失う
社内に専門知識はあるが、書く時間と編集の担い手がいない高い。取材で引き出す形にすれば一次情報を保てる
サイトの構築が5年以上前で、更新性やセキュリティに不安がある高い。メディア追加とリニューアルを同時に検討すべき
公開後に数字を見る担当者がいない中。運用レポートを含めた契約にすれば継続できる
予算が構築費のみで、記事制作と運用の枠がまったくない低い。まず既存サイト内で小さく始めるほうが現実的

当社は内製でのワンストップ構築体制を取っており、公開FAQでも「内製でのワンストップ構築体制となりますので、アウトソーシングでの構築などは基本行っておりません」と案内しています。メンバーは全国各地に分散しているため、打ち合わせはWeb会議を基本としています。オウンドメディアは公開後の付き合いが長くなるため、誰が実際に手を動かすのかを最初に確認しておくと、後の齟齬が減ります。

発注前に決めておく6項目

    • 置き場所:既存サイト内か、切り出すか、別ドメインか。ここで見積が大きく変わります。
    • 移行対象:既存記事が何本あり、そのうち何本を移すか。移さない記事の扱いも決めます。
    • 書き手:社内、取材代行、記事代行のどれを、どの比率で使うか。
    • 月の工数:誰の何時間を出すか。人名まで決めておくと止まりにくくなります。
    • 評価の時期:公開月ではなく、いつの数字で判断するか。少なくとも半年以上先に置きます。
    • 改善の担当:数字を見て手を入れるのは社内か、制作会社か。運用費に含めるかどうか。

    この6項目が埋まっていれば、複数社に相見積を出しても比較できる状態になります。埋まっていない状態で見積を集めると、金額の差が何の差なのか判断できません。

    よくある質問

    更新は自社でできますか

    できます。当社は制作サイトの9割方にCMSを搭載してWordPressで制作し、40ページ前後の独自マニュアルと、エンジニアによる1時間半の実操作レクチャーを納品時にお渡ししています。担当者の育成研修も別途ご用意しています。

    SEOも含めてお願いできますか

    SEOの内部対策などの最適化は標準で対応しています。キーワードの調査から上位表示の可能性の判断まで対応でき、記事代行のサービスもあります。リスティング広告は専任のマーケティングチームで対応します。

    写真や取材はどうなりますか

    スチール写真から動画まで、専任のアートディレクターが対応します。会社案内パンフレットなどのDTP、ロゴやCI/VIマニュアルの制作も可能です。オウンドメディアは継続的にビジュアルが必要になるため、撮影の頻度と点数を最初の見積に含めておくと、途中で予算が足りなくなる事態を避けられます。

    公開後、誰が改善を回しますか

    ご要望に応じて当社が担当します。アクセス解析レポート、改善施策の立案、改善施策の実施、定期報告の打ち合わせという内容で、毎期KPIを立てながら月次でご報告する形です。レポートを含む場合は月30,000円ほどからご案内しています。

    途中で方針が変わったら追加費用が出ますか

    各工程に3回ほどの修正期間を設けており、その範囲内は追加費用なしで対応します。工程の戻りや範囲を超える変更は、別途お見積のうえ承認をいただいてから進めます。社内確認が長引いた場合は、リスケジュール案を提示して合意のうえ進行します。

    まとめにかえて:判断の順番

    オウンドメディアの相談を受けるとき、当社が最初に確認するのは予算でも本数でもありません。その会社に、書ける情報が本当にあるかどうかです。製品の使い方、現場の判断基準、失敗した事例、社内にしかない数字。それがある会社は、記事の形が多少荒くても読まれます。逆に、どこにでもある情報を整えても入口にはなりません。

    次に確認するのは、時間の出どころです。当社自身が2025年に1本も公開できなかったのは、意欲の問題ではなく工数の問題でした。仕組みで解けるところは仕組みで、外に出せるところは外に出す。その線引きを構築前に引けるかどうかが、3年後の状態を決めます。

    最後に、期待値の置き方です。この記事で開示したとおり、当社サイトで今いちばん人を運んでいるのは8年前に公開して調べ直した記事であり、直近に公開した記事はまだ動いていません。オウンドメディアは、短期の集客施策ではなく、書き換えながら長く使う資産として設計するものです。そう捉えれば、初期構築より運用の設計に予算を寄せる判断が自然に出てきます。

    置き場所、書き手、工数の3つが決まっていない段階でも構いません。現在のサイトの状況と、社内にある情報の種類をお聞かせいただければ、どこから着手するのが現実的かをご提案します。ご相談は https://grow-group.jp/contact/estimate/ からお願いします。

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    この記事を書いた人

    GrowGroup

    名古屋を拠点とする課題解決型のWeb制作会社GrowGroupです。コーポレートサイトを中心に、戦略設計から制作・運用まで一貫してご支援し、成果につながるWebづくりの知見を発信しています。

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