ホームkeyboard_double_arrow_rightナレッジブログkeyboard_double_arrow_rightWordPressを利用したサイト事例20選【2026年版】8年前に紹介した20サイトを全件再調査しました
WordPressを利用したサイト事例20選【2026年版】8年前に紹介した20サイトを全件再調査しました

WordPressを利用したサイト事例20選【2026年版】8年前に紹介した20サイトを全件再調査しました

畑中 孝仁Webディレクター公開 2018.02.14更新 2022.01.17#まとめ#WordPress

この記事は、2018年2月に公開したものを2026年7月に全面的に書き直したものです。当時ご紹介した20サイトについては、1件ずつ実際にアクセスし直し、いまも生きているのか、いまもWordPressで動いているのかを再調査しました。結果を先にお伝えすると、こうなりました。

  • 20件中18件が、いまも稼働中(2件はサイト自体が消滅)
  • そのうち、いまもWordPressで動いているのは12件
  • 6件は、WordPress以外の構成へ移行していた

8年という時間は、CMSの選定にとって決して短くありません。「WordPressで作るか」を考えている方にとって、8年後にそのサイトがどうなっていたかという実例ほど、参考になる材料はないはずです。この記事では、事例そのものに加えて、そこから読み取れる「WordPressの向き・不向き」まで踏み込んでお伝えします。

リニューアルの提案でWordPressを勧められている方、いまのWordPressサイトを続けるか迷っている方——どちらにとっても、判断の材料は「8年後にどうなったか」の実例のはずです。

目次

2026年のWordPress——最新シェアと、この8年で変わったこと

WordPressとは、企業のホームページやブログを構築するためのCMS(コンテンツマネジメントシステム)です。カスタマイズ性の高さとテーマの豊富さから、いまも世界でもっとも使われているCMSであり続けています。

まず、数字を最新のものに入れ替えます。この記事の初出時(2018年)には「世界中で新たに作成されるサイトの1/4のシェア」と書いていましたが、その数字はすでに古いものです

W3Techsの2026年7月17日時点の調査では、WordPressのシェアは次のとおりです。

指標2026年7月時点
全ウェブサイトに占めるWordPressの割合41.2%
CMSが判明しているサイトに占めるWordPressの割合59.1%
出典:W3Techs「Usage statistics and market share of WordPress」2026年7月17日時点

ウェブ全体の4割強がWordPressで、CMSに限れば約6割。「1/4」どころではなく、実際にはもっと大きな存在です。

ただし、正直にお伝えしておきたいことがあります。このシェアは、直近では緩やかに下がっています。W3Techsの集計では、2025年5月時点の43.5%から、2026年7月17日時点の41.2%へ低下しました(出典:W3Techs/両時点とも同社集計)。私たちが今回の再調査で確認した範囲でも、他のCMSへの乗り換えより、静的サイトジェネレーターやフロントエンドのフレームワークなど「CMSとして検出されない構成」への移行が目立ちました。そうしたサイトは、そもそもCMSとして検出されません。

そしてこの傾向は、後述する事例20件の再調査でも、部分的に確認できました。WordPressから離れた6件のうち2件は、まさにその「CMSとして検出されない構成」へ移っていました。1件はノーコード系のサイト構築サービスへ、残る3件は移行先を特定できていません。20件という小さな標本ですので断定はできませんが、傾向としては符合します。

2018年以降、WordPressに起きた3つの大きな変化

この記事の初出は2018年2月です。その10ヶ月後に、WordPressは歴史上もっとも大きな変更を迎えました。当時の記事には一言も書けていなかった部分なので、ここで補います。

時期バージョン何が変わったか
2018年12月6日5.0ブロックエディタ(Gutenberg)が標準の編集画面に。文章・画像・表などを「ブロック」として積み上げる方式へ
2022年1月25日5.9フルサイト編集(FSE)が登場。ヘッダー・フッター含めサイト全体を管理画面から編集できるように
2025年12月2日6.9ブロックエディタとサイトエディタの改良が継続
2026年5月20日7.0管理画面の刷新、ブロックのレスポンシブ制御(デバイス別の表示切替)、新ブロックの追加など
2026年7月9日7.0.1最新の安定版(2026年7月時点)
出典:WordPress.org「WordPress Versions」(2026年7月時点)

要点は3つです。

  1. 編集方法が根本から変わった:2018年当時の「エディタ」と、いまの編集画面はまったく別物です。当時の操作感を前提にした情報は、いま読むと噛み合いません
  2. デザインの領域まで管理画面から触れるようになった:FSEにより、以前はテーマのファイルを直接書き換えるしかなかった箇所が、管理画面で編集可能になりました
  3. ただし「全部が簡単になった」わけではない:できることが増えた分、設定項目も増えました。触れる場所が増えたということは、意図せず壊せる場所も増えたということです

WordPressが選ばれる理由【2026年版】

WordPressでウェブサイトを構築するイメージ

初出時、この記事にはこう書いてありました。「本来ウェブサイトはHTMLコードでできており、コードを書く技術が無ければサイトを立ち上げる事ができない」——。

2026年のいま、この前提はもう成り立ちません。コードを書かずにサイトを公開する手段は、WordPress以外にもいくつも存在します。ですから、WordPressが選ばれる理由も、「コードを書かなくていいから」ではなくなりました。いまWordPressが選ばれるのは、別の理由からです

① テーマ(テンプレート)が豊富

初出時は「無料のテンプレートだけでも100テーマ以上」と書いていました。これも更新します。WordPress.org公式テーマディレクトリは、2026年7月時点で「14,000以上の無料テーマ」を掲げています(出典:WordPress.org Theme Directory)。100どころか、二桁違いました。

ただし実務の観点から、正直に付け加えます。テーマの数が多いことは、そのまま「選びやすい」を意味しません。14,000という数は、裏を返せば「更新が止まっているテーマも大量に含まれている」ということです。後述しますが、テーマは脆弱性の入口にもなります。数の多さは、選定の手間とセットです。

② プラグインでさまざまな機能を追加できる

プラグインという拡張ツールを使うことで、機能を後から足せます。WordPress.org公式プラグインディレクトリは、2026年7月時点で「67,000以上の無料プラグイン」を掲げています(出典:WordPress.org Plugin Directory)。

お問い合わせフォームの設置、スパム対策、アクセス数に応じた人気記事ランキング、新着記事の表示——。「こういう機能が欲しい」と思ったことのだいたいは、すでに誰かがプラグインにしています。この蓄積の厚さこそが、2026年においてWordPressが選ばれる最大の理由だと私たちは考えています。

そして同時に、これがWordPressの最大の弱点でもあります。次の章で、その理由を実データでお伝えします。

③ ブロックエディタとフルサイト編集(2018年には無かったもの)

いまのWordPressの編集画面は、文章・見出し・画像・表・ボタンといった部品を「ブロック」として積み上げていく方式です。2018年当時のエディタとは、操作感がまったく違います。

実務でありがたいのは、更新担当の方が「どこを触っていいか」を把握しやすくなった点です。以前は、記事本文の編集とデザインの編集が別世界で、後者には制作会社の手が要りました。いまは、あらかじめ用意したブロックの組み合わせで、担当者ご自身が完結できる範囲が広がっています

一方で、率直にお伝えすべきこともあります。ブロックエディタは、自由度を上げると同時に、レイアウトが崩れる余地も広げました。「余白を少し変えたつもりが、スマートフォンで表示が崩れた」といったことが起こり得ます。私たちが構築する際は、使えるブロックと設定できる項目をあらかじめ絞り込んでおくことが多いです。自由度は、必ずしも運用の味方ではありません。

WordPressのデメリット【2026年の実データで見る】

では、良いところばかりなのでしょうか。いいえ、もちろんデメリットもあります。初出時にも「ハッキングされる可能性」「非公式ツールでは不具合」の2点を挙げていましたが、当時は根拠となる数字を示せていませんでした。2026年のいまは、示せます。

① 狙われるのはWordPress本体ではなく、プラグイン

セキュリティ企業Patchstackの「State of WordPress Security in 2026」によれば、2025年の1年間にWordPressエコシステムで新たに発見された脆弱性は11,334件で、2024年比42%増でした。その内訳が重要です。

発見された場所割合・件数
プラグイン91%
テーマ9%
WordPress本体(コア)わずか6件(いずれも低リスク)
出典:Patchstack「State of WordPress Security in 2026」(2025年に発見された脆弱性11,334件の内訳)。構成比は小数点以下を四捨五入した値で、本体の6件は全体の0.1%未満のため比率としては表に現れません。

この数字は、「WordPressは危ない」という一般的な言い方が、正確ではないことを示しています。WordPress本体は、堅いのです。1年間で6件、しかもすべて低リスク。危ないのは本体ではなく、後から足した部分です。

さらに切実な数字もあります。同レポートによれば、高い深刻度の脆弱性は1,966件(全体の17%)で、これは過去2年間の合計を上回る数でした。そして攻撃が特に集中する脆弱性では、公開から大規模な攻撃が始まるまでの中央値がわずか5時間。高影響の脆弱性のおよそ半数が、公開から24時間以内に攻撃を受けています

実務的に言い換えると、こうなります。「来月の定例で更新しましょう」では、間に合わない領域があるということです。

② 有料だから安全、ではない

初出時、私たちは「非公式ツールでは不具合が起きる」と書きました。ここは補正が必要です。同レポートでは、有料・フリーミアムのプラグインやテーマで見つかった脆弱性のうち、76%が実際の攻撃で悪用可能なものだったと報告されています。

つまり、「公式ディレクトリの無料版は不安だから、有料版を買えば安心」という考え方は成り立ちません。分かれ目は無料か有料かではなく、そのプラグインがいまも活発に更新されているか、脆弱性が報告されたときに素早く直されるかです。

私たちがプラグインを選ぶときに見ているのは、だいたい次の点です。

  • 最終更新日:1年以上更新が止まっているものは、原則として採用しません
  • 最新のWordPressで動作確認済みか:公式ディレクトリに表示されます
  • 過去に脆弱性が出たとき、どれくらいで直したか:出たこと自体より、直す速さを見ます
  • そもそも、そのプラグインが本当に要るかこれが一番効きます。入れなければ、脆弱性は生まれません

最後の項目が、実は最重要です。プラグインを1つ減らすことは、そのままリスクを1つ減らすことを意味します。

③ 表示速度とCore Web Vitals

2018年の記事には無かった論点として、表示速度があります。GoogleはCore Web Vitals(表示速度や操作への応答性などを測る指標群)を検索の評価に用いており、2024年3月には応答性の指標がFIDからINPへ切り替わりました

WordPressは、構造上どうしても表示のたびにPHPが動きます。ここにプラグインを積めば積むほど、読み込むJavaScriptとCSSが増えます。「機能を足せる」という長所と、「遅くなる」という短所は、同じ仕組みの表と裏です。

裏を返せば、WordPressが遅いのではなく、載せ方によって遅くなるということでもあります。キャッシュの設計、画像の最適化、不要なプラグインの整理——ここは制作会社の腕の差が、そのまま数値に出る領域です。

WordPressを利用したサイト事例20選【2026年7月・全20件を再調査】

ここからが本題です。2018年2月にご紹介した20サイトを、2026年7月に1件ずつ調べ直しました

調査方法は、各サイトへ実際にアクセスしてHTTPステータスを確認し、あわせてWordPress固有の痕跡(wp-content / wp-json / generatorメタタグ / REST APIのLinkヘッダ)を複数の方法で照合する、というものです。表側の痕跡が消えていてもREST APIが生きているケースがあるため、1つの方法だけでは判断していません。

再調査の結果サマリ

状態件数
サイトが稼働中18件 / 20件
└ うち、いまもWordPressで稼働12件
└ うち、WordPress以外の構成へ移行6件
サイト自体が消滅(ドメイン失効・サービス終了)2件
GrowGroupによる2026年7月17日時点の調査。掲載スクリーンショットは2018年初出時のものです

なお、以下に掲載しているスクリーンショットは、すべて2018年の初出時に撮影したものです。現在のデザインとは異なります。あえて差し替えずに残しているのは、「8年前はこうだった」という記録そのものに意味があると考えたためです。各サイトの現在の姿は、ぜひリンク先でご確認ください。

企業サイト・コーポレートサイト

株式会社 オールアバウト|いまもWordPress

オールアバウトのコーポレートサイト(2018年当時)

https://corp.allabout.co.jp/
生活情報メディアを運営する企業のコーポレートサイト。表側のHTMLにはWordPressの痕跡が一切ありません。しかしREST APIへのLinkヘッダが出力されており、いまもWordPressで動いています「表からWordPressに見えない=WordPressでない」ではないという、良い実例です。

株式会社 カカクコム|WordPress以外へ移行

カカクコムのコーポレートサイト(2018年当時)

https://corporate.kakaku.com/
価格比較サイトなどを運営する企業のコーポレートサイト。サイトは健在ですが、WordPressの痕跡は確認できませんでした。外形からの調査ではノーコード系のサイト構築サービスによる構成と見られますが、これは推定であり、実際の構成とは異なる可能性があります。

クルーズ 株式会社|いまもWordPress

クルーズのコーポレートサイト(2018年当時)

https://crooz.co.jp/
インターネット関連事業を手がける企業のコーポレートサイト。8年経ったいまもWordPressで、REST API(wp-json)も有効な状態で稼働していました。

クックパッド 株式会社|いまもWordPress

クックパッドの企業サイト(2018年当時)

https://info.cookpad.com/
料理レシピサービスを運営する企業のコーポレートサイト。いまもWordPressです。注目したいのは、サービス本体(レシピサイト)とコーポレートサイトが、別々の技術で作られている点です。この使い分けについては、後の章で詳しくお伝えします。

株式会社 LIFULL|いまもWordPress

LIFULLのコーポレートサイト(2018年当時)

https://lifull.com/company/
不動産情報サービスなどを運営する企業のコーポレートサイト。いまもWordPressで稼働中です。なお、初出時に掲載していたURLは、現在は別のURLへ転送される形になっていました。リンク切れではなく、リダイレクトが正しく設定されている状態です。サイトリニューアル時にURLが変わっても、転送を残しておけば過去のリンクは生き続けます。地味ですが、実務では非常に重要な処理です。

株式会社 ファンコミュニケーションズ|WordPress以外へ移行

ファンコミュニケーションズのコーポレートサイト(2018年当時)

https://www.fancs.com/
アフィリエイト広告事業などを手がける企業のコーポレートサイト。サイトは健在ですが、WordPressの痕跡は確認できませんでした。外形からはJavaScriptのフレームワークを用いた構成と見られます(推定)。冒頭で触れた「CMSとして検出されないサイト」の典型例です。

freee 株式会社|WordPress以外へ移行

freeeのコーポレートサイト(2018年当時)

https://www.freee.co.jp/
クラウド会計サービスを提供する企業のサイト。WordPressの痕跡は確認できませんでした(wp-json・wp-login.php いずれも応答なし)。

株式会社 博報堂|WordPress以外へ移行

博報堂のコーポレートサイト(2018年当時)

https://www.hakuhodo.co.jp/
広告代理事業を手がける企業のコーポレートサイト。こちらも現在はWordPressの痕跡が確認できませんでした。なお、初出時のリンクはhttp://でしたが、現在はhttps://へ正しく転送されています。2018年当時はまだ常時SSL化が浸透しきっていなかったことを思い出させる変化です。

株式会社 オリエンタルランド|WordPress以外へ移行

オリエンタルランドのコーポレートサイト(2018年当時)

https://www.olc.co.jp/ja/index.html
テーマパーク運営で知られる企業のコーポレートサイト。自動化された調査ツールからのアクセスは遮断されますが、実際のブラウザで開くとサイトは問題なく表示されました。ただしWordPressではなくなっています。この記事の判定は、こうした場合すべて実ブラウザで確認したうえで確定させています。

株式会社 スタートトゥデイ|サイト消滅(社名変更のため)

スタートトゥデイのコーポレートサイト(2018年当時)

初出時に掲載していたwww.starttoday.jpは、2026年7月現在、DNSにドメインが存在しません(名前解決自体ができない状態)。この企業は2018年10月に社名を変更しており、現在のコーポレートサイトは別ドメインで運営されています。CMSの話というより、「企業の名前が変われば、URLごと消える」という当たり前の事実を突きつけてくる1件でした。初出から8年、最後に手を入れてからでも4年半。記事を放置したまま置くリスクは、まさにこれです。

ラクスル 株式会社|いまもWordPress

ラクスルのコーポレートサイト(2018年当時)

https://corp.raksul.com/
印刷通販などを手がける企業のコーポレートサイト。いまもWordPressです。ここもサービス本体とコーポレートサイトが分かれている構成で、コーポレート側にWordPressが選ばれ続けています。

チームラボ 株式会社|WordPress以外へ移行

チームラボのホームページ(2018年当時)

https://www.team-lab.com/
デジタルアートで知られる企業のサイト。WordPressの痕跡は確認できませんでした。外形からはJavaScriptのフレームワークによる構成と見られます(推定)。表現そのものが事業の中核である企業にとって、サイトの見え方・動き方を細部まで自前で制御できる構成が選ばれるのは自然な流れです。

WEBメディア・ニュースサイト

ここからのカテゴリでは、WordPressの残存率が明確に高くなります。理由は後述します。

ガジェット通信|いまもWordPress

ガジェット通信のサイト(2018年当時)

https://getnews.jp/
ニュースメディア。8年後のいまもWordPressで稼働しています。毎日大量の記事を公開し続けるメディアにとって、記事の入稿・編集・公開の流れが完成しているWordPressから乗り換える動機は、そもそも生まれにくいのです。

株式会社 LIG|いまもWordPress

LIGのオウンドメディア(2018年当時)

https://liginc.co.jp/
Web制作・システム開発を手がける企業のオウンドメディア。8年後のいまもWordPressで稼働していました。記事を継続的に発信するメディアという性質は、前後のメディア各社と共通しています。

AppBank 株式会社|いまもWordPress

AppBankのサイト(2018年当時)

https://www.appbank.co.jp/
メディア事業を展開する企業のサイト。いまもWordPressです。初出時のリンクはhttp://でしたが、現在はhttps://へ転送されています。

FindJob(サービス終了)|サイト消滅

FindJobのコンテンツメディア(2018年当時)

初出時に掲載していた求人サービスのコンテンツメディアは、2026年7月現在、アクセスするとストレージサービスの静的ホスティングへ転送され、403エラーが返る状態でした。サービス自体が終了し、その後片付けの途中で止まっているように見えます。「消滅したサイトは、きれいに消えるとは限らない」という一例です。

商業施設・学校

このカテゴリは、4件すべてがいまもWordPressでした

さいたまスーパーアリーナ|いまもWordPress

さいたまスーパーアリーナのサイト(2018年当時)

https://www.saitama-arena.co.jp/
大規模イベント会場のサイト。いまもWordPressです。イベント情報という「日々増え、日々古くなる情報」を扱うサイトで、WordPressは強さを発揮します。

SHIBUYA109|いまもWordPress(最新版で稼働)

SHIBUYA109のサイト(2018年当時)

https://shibuya109.jp/
商業施設のサイト。20件の中で、もっとも印象的だった1件です。

generatorメタタグに出力されていたバージョンは WordPress 7.0.1。調査時点での最新の安定版でした(7.0.1のリリースは2026年7月9日、調査は7月17日)。リリースからわずか8日のうちに、最新版へ追随していたことになります(何日目に更新したかまでは分かりません)。

前章でお伝えした「公開から5時間で攻撃が始まる」という現実を踏まえると、これは運用が生きている証拠です。8年前に紹介したサイトが、8年後もきちんと手入れされている。WordPressで作ることの成否は、結局ここに出ます

神戸芸術工科大学|いまもWordPress

神戸芸術工科大学のサイト(2018年当時)

https://www.kobe-du.ac.jp/
芸術系の大学の公式サイト。いまもWordPressです。

東京藝術大学|いまもWordPress

東京藝術大学のオフィシャルサイト(2018年当時)

https://www.geidai.ac.jp/
美術・音楽の学部を持つ大学の公式サイト。いまもWordPressです。大学サイトは学部・研究室・入試・お知らせと、更新する人が部署ごとに分かれるのが特徴です。権限を分けて、それぞれの担当者が自分の持ち場だけを更新できる——WordPressが得意とする形が、そのまま組織の形に合っています。

8年後の答え合わせ——WordPress事例20件の変化から読み取れる3つの傾向

ここが、この記事でもっともお伝えしたい部分です。20件をカテゴリ別に並べ直すと、離脱の6件がきれいに一箇所へ寄りました

カテゴリいまもWordPress移行消滅
企業サイト・コーポレートサイト(12件)5件6件1件
WEBメディア・ニュースサイト(4件)3件0件1件
商業施設・学校(4件)4件(全件)0件0件
離脱6件はすべて企業サイト。メディア・商業施設・学校からの離脱はゼロ(GrowGroupによる2026年7月17日時点の調査)

ここから読み取れることを、3つに整理します。

① 「更新し続けるサイト」は、WordPressに残った

メディア、イベント情報、大学のお知らせ——中身が日々増えるサイトは、8年経っても1件残らずWordPressのままでした。理由はシンプルで、「記事を書いて、公開する」という日常業務の流れが、すでに完成しているからです。ここを別のものに変えるコストに、見合うだけの理由がありません。

② 「あまり更新しないサイト」は、離れていった

逆に、コーポレートサイトのように年に数回しか更新しないサイトからは、移行が相次ぎました。更新頻度が低いサイトにとって、WordPressの「更新のしやすさ」という長所は、あまり効きません。にもかかわらず、セキュリティ更新の手間だけは、更新頻度に関係なく毎月かかり続けます。長所が効かず、コストだけが残るなら、離れる判断には合理性があります。

③ 「役割ごとに使い分ける」のが、2026年の主流

今回の再調査で目立ったのが、サービス本体は別の技術、コーポレートサイトはWordPress、という分業です。複数の企業で、この形が確認できました。

つまり2026年の問いは、もはや「WordPressか、それ以外か」ではありません「このサイトは、どの役割を担うのか。その役割に、WordPressは合っているのか」です。

WordPressを選ぶべきか——事例20件から導いた判断軸

ここまでの調査結果と、私たちが実務で見てきたことを合わせて、判断軸を表にまとめます。他のツールやCMSに優劣をつけるものではありません。あくまで「向き・不向き」の話です。

こういう場合は、WordPressが向いていますこういう場合は、他の選択肢も検討する価値があります
お知らせ・ブログ・実績など、中身が継続的に増えていくページ数が少なく、更新もほとんど発生しない
更新する人が複数いて、部署ごとに権限を分けたい更新する人が1人、または更新自体が稀
ページの「型」を作って、担当者が同じ形で追加していきたい1ページごとにまったく違うデザインにしたい
将来的に機能を追加していく可能性がある要件が完全に固まっていて、今後も変わらない
保守・更新の体制を組める(社内・外部いずれでも)更新作業を誰も担当できない
社内・外部を問わず触れる人が多いほうがよい(対応できる制作会社が多い)表現の細部まで自前で制御することが事業の中核
GrowGroupの制作実績と、上記の再調査結果をもとに整理

最後の行、「保守・更新の体制を組めるか」が、実はもっとも重要です。ここまで見てきたとおり、WordPressの脆弱性の91%はプラグインで発生し、高影響のものは公開から数時間で攻撃が始まります更新を担当する人が決まっていない状態でWordPressを選ぶことは、時間の経過とともにリスクが積み上がる選択です。

逆に言えば、更新を担う体制があることは、長く使い続けるための前提条件です。今回の調査でも、リリースからわずか8日のうちに最新の安定版へ追随しているサイトを確認できました。もちろん、体制があれば何もかも安泰というわけではありません。依存しているプラグインの開発終了やサーバー環境の変化など、その都度の判断が必要になる場面はあります。それでも、判断できる人がいるかどうかが分かれ目であることは変わりません。

GrowGroupの制作実績で見る、WordPressのリアル

ここまで他社サイトの話をしてきましたので、私たち自身の実績も数字でお出しします。GrowGroup株式会社は、名古屋を拠点にWebサイトの制作を行っている会社です。

2026年7月時点で公開している制作実績は263件。その内訳は次のとおりです。

区分件数
公開中の制作実績(全体)263件
└ うち Webサイト227件
└ うち WordPressへの言及があるもの98件
種別:コーポレートサイト140件
種別:サービスサイト49件
種別:採用サイト・リクルートサイト27件
種別:会員サイト5件
種別:ECサイト7件
種別:LPサイト7件
GrowGroup公式サイトの制作実績(2026年7月17日時点)。分類が重複する実績があるため、種別の合計は全体件数と一致しません

個々の実績は、以下のページですべて公開しています。業種・目的・サイト種別で絞り込めますので、ご自身の状況に近いものを探してみてください

GrowGroupの制作実績一覧はこちら

この数字の中で、私たちが重要だと思っているのは「コーポレートサイト140件」という数です。前章で、コーポレートサイトはWordPressから離れやすいカテゴリだとお伝えしました。それでも私たちがWordPressで構築し続けているのは、「コーポレートサイトだから更新しない」わけではないからです。

実際にご相談を受ける内容は、こういうものです。「お知らせを自分たちで出したい」「採用の募集要項を、人事が直接直したい」「実績を担当者が追加していきたい」——。更新する意思がある企業のコーポレートサイトは、WordPressが向いているカテゴリに入ります。分かれ目は「コーポレートサイトかどうか」ではなく、「更新するかどうか」です。

制作会社の視点:WordPressで作ると、実際に何が起きるか

ここは、事例紹介の記事ではあまり書かれない部分です。しかしWordPressで作るかどうかを判断するうえで、いちばん効く情報だと思うので、率直にお伝えします。

公開日は、ゴールではなくスタート

WordPressで作ったサイトは、公開した瞬間から、更新を待ち続ける状態に入ります。本体の更新、プラグインの更新、テーマの更新、PHPのバージョン更新——。

そして、この更新は「押せば終わり」ではありません。プラグインを更新したら、別のプラグインと競合してレイアウトが崩れた。PHPのバージョンを上げたら、古いプラグインが動かなくなった。こうしたことは、珍しくありません。だからこそ、本番と同じ構成の検証環境で先に試してから、本番に適用する——という手順が要ります。

ここで、前章の数字をもう一度思い出してください。高影響の脆弱性のおよそ半数が、公開から24時間以内に攻撃を受けています。つまり実務は、「慎重に検証する」と「すぐ適用する」という、相反する2つの要求の板挟みになります。この折り合いをどうつけるかが、保守の設計そのものです。

プラグインは「入れる」より「入れない」ほうが難しい

67,000以上のプラグインがあると、たいていの要望には「それ、プラグインで入ります」と答えられます。ですが、入れた分だけ、更新対象が増え、競合の可能性が増え、脆弱性の入口が増え、表示速度が落ちます

「そのプラグイン、本当に必要ですか」と一度立ち止まることには、大きな意味があります。入れなければ、そのプラグインに由来する脆弱性は生まれません。地味ですが、私たちが実務で最初に確認しているのはここです。

8年後に効いてくるのは、URLの設計

今回の再調査で、しみじみ実感したことがあります。URLは、思っているよりずっと長く生き残るということです。

8年前のリンクが、リダイレクトのおかげでいまも生きているサイトがありました。一方で、ドメインごと消えて、たどり着けなくなったサイトもありました。この違いは、リニューアルのときに転送を設計したかどうかで決まります。

そしてこれは、そのままSEOの話でもあります。8年かけて集めた被リンクも、検索エンジンが持っている評価も、URLに紐づいています。リニューアルで転送を捨てるということは、8年分の蓄積を捨てるということです。私たちがリニューアル案件で必ず時間をかけるのが、この転送設計です。

フォームは、作った後に必ず問題が起きる

WordPressでサイトを作ると、ほぼ確実にお問い合わせフォームを設置します。そしてほぼ確実に、公開後しばらくして「迷惑な問い合わせが止まらない」というご相談をいただきます

これは私たち自身も通った道で、実データを分析して分かったのは、「迷惑な問い合わせ」には性質の違う2種類が混ざっているということでした。機械が送るスパムと、人が書いた営業メールです。前者はボット対策で止まりますが、後者は止まりません。人間が、正規のフォームから、日本語で書いて送っているからです。

この話は、WordPressでサイトを運用するなら、ほぼ全員がぶつかります。詳しくは別記事にまとめています。

まとめ

2018年に公開したこの記事を、2026年に全面的に書き直しました。あらためて、要点を整理します。

  • WordPressのシェアは、全ウェブサイトの41.2%、CMSに限れば59.1%(W3Techs/2026年7月17日時点)。初出時に書いた「1/4」よりも、実際にはずっと大きい存在です
  • 2018年12月のブロックエディタ、2022年1月のフルサイト編集で、WordPressは中身が別物になりました。古い情報を前提にした判断は、いま噛み合いません
  • 脆弱性の91%はプラグイン、本体はわずか6件(Patchstack/2025年の11,334件の内訳)。「WordPressが危ない」のではなく、「後から足したものが危ない」のです
  • 8年前に紹介した20サイトのうち、18件が稼働中、12件がいまもWordPress。離脱した6件はすべて企業サイトで、メディア・商業施設・学校からは1件も離れていません
  • 分かれ目は「更新するかどうか」。更新し続けるサイトはWordPressに残り、更新しないサイトは離れていきました

初出時、この記事はこう締めくくっていました。「商用や人に多く見られるようなコンテンツであれば、専門の技術を持っているプロにお任せした方がセキュリティの観点から見ても得策」——。8年経って、この一文だけは、まったく古びていませんでした。むしろ、脆弱性が前年比42%増え、攻撃が集中する脆弱性では公開から5時間で大規模攻撃が始まる2026年においては、当時よりも重い意味を持っています。

ただし、いま同じことを書くなら、私たちはこう言い換えます。WordPressで作るかどうかは、技術の問題ではなく、体制の問題です。作った後、誰が更新し続けるのか。そこが決まっていれば、WordPressは8年後も長く使い続けられる可能性が高まります。決まっていなければ、どんなに良い作り方をしても、時間が経つほど危うくなります。

WordPressでのサイト制作をご検討中の方へ

GrowGroupでは、WordPressでのサイト構築から、公開後の保守・更新までを一貫してお引き受けしています。「WordPressで作るべきかどうか」の段階からのご相談も歓迎です。今回の記事でお伝えしたとおり、WordPressが向かないケースも、確実に存在します。その場合は、正直にそうお伝えします。

お見積り・ご相談は、以下のフォームから承っております。

また、過去の制作実績は実績一覧ページで公開しています。業種や目的で絞り込めますので、あわせてご覧ください。

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この記事を書いた人

畑中 孝仁Webディレクター

GrowGroup株式会社のディレクターを行っている畑中です。主にマーケティングやアクセス解析を中心としてご提案から、サイト制作のディレクションを担当しております。

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