採用サイトの制作を検討している方へ。費用の実勢から、何を作るべきか、何ページ必要か、いつ着手すべきかまで、判断に必要なことをまとめました。
最初に1つだけ。採用課題を解く方法は、採用専用サイトだけではありません。私たちが公開している制作実績を数え直したところ、採用を目的とした案件の過半は、コーポレートサイトとして作られていました。どちらが正解かは、御社の状況で変わります。
この記事は、制作会社の側から書いています。GrowGroupはこれまで1,200社を超える企業のWeb制作に携わってきました。実際の受注データと、公開している制作実績の集計をもとに、費用の実勢と、その前に決めるべきことを書きます。採用サイトを作らない方がいいケースも含めて、正直に。
目次
- 1 先に結論:費用の目安と、その前に確かめること
- 2 採用を目的にした案件の過半は、「採用サイト」ではなかった
- 3 なぜコーポレートサイトなのか——採用は「会社の見え方」の問題
- 4 採用専用サイトを作らない場合、コーポレートサイトで何をするのか
- 5 では、採用専用サイトが必要なのはどんなときか
- 6 どんな業種が、採用サイトに投資しているか
- 7 費用の実勢——「採用サイト」と「採用LP」は別物
- 8 採用サイトは、どこに効くのか——正しい期待値
- 9 何を載せるかは、データで決められる
- 10 いつ作るべきか——採用スケジュールからの逆算
- 11 発注前に決めておく3つのこと
- 12 実際の事例——記事で書いたことが、どう形になったか
- 13 見積もりで必ず確認する、採用サイト特有の項目
- 14 よくある質問
- 15 まとめ
先に結論:費用の目安と、その前に確かめること
- 採用サイトの費用は、中央値293万円。ボリュームゾーンは247万〜327万円。1ページで作る「採用LP」なら中央値38万円で、この2つは別物です
- ただし、採用専用サイトが答えとは限りません。当社で採用を目的とした53件のうち、採用サイトとして作ったのは22件。コーポレートサイトが35件でした
- 効くのは「応募数」より「歩留まり」です。媒体経由で来た人の辞退が減り、ミスマッチが減り、内定承諾率が上がる。ここに投資対効果が出ます
- 新卒なら、公開時期から逆算してください。学生は大学3年生の6月には50.3%が閲覧を始めます。取材・撮影を含む制作は6ヶ月前後かかります
採用を目的にした案件の過半は、「採用サイト」ではなかった
まず、いちばんお伝えしたいデータから。
grow-group.jp で公開している制作実績264件のうち、目的に「採用強化」を含む案件は53件ありました。その53件が、実際にどんなサイトとして作られたかを数えたのが下の図です。
目的に「採用強化」を含む53件が、実際にどんなサイトとして作られたか
出典:GrowGroupの制作実績のうち、採用強化を目的とした案件の集計(2026年7月時点)。1案件が複数の種別を持つため、合計は53を超えます。
コーポレートサイトが35件、採用サイト・リクルートサイトが22件。採用課題を解くために作られたサイトの過半は、採用専用サイトではありませんでした。
これは、採用サイトを検討している方には意外に映るかもしれません。「採用を強化したいなら採用サイトを作る」——自然な発想です。ですが実際の発注では、コーポレートサイトを作り直すことで採用課題に向き合うケースの方が多かったのです。
少なくとも、「採用を強化したいなら採用サイト」が当たり前ではないということです。
なぜコーポレートサイトなのか——採用は「会社の見え方」の問題
理由は、同じ53件の「目的」の組み合わせを見ると分かります。
採用強化を目的とした53件に、同時に設定されていた目的(複数該当あり)
出典:GrowGroupの制作実績のうち、採用強化を目的とした案件の集計(2026年7月時点)。1案件が複数の目的を持つため、合計は53を超えます。
採用強化を目的とした53件のうち、39件がブランディングと同時に設定されていました。約74%です。認知拡大16件、情報発信12件と続きます。
つまり、採用は単独の課題として扱われていません。「会社をどう見せるか」という、より大きな問いの一部として発注されている。だから、採用ページだけを切り出すのではなく、会社全体の見え方を作り直すコーポレートサイトが選ばれる——そういう構造です。
求職者の行動を考えると、腑に落ちます。応募を検討している人は、採用ページだけを見て決めません。会社概要を見て、事業内容を見て、どんな人がいるのかを見る。採用ページが立派でも、会社のページが10年前のままなら、そのギャップの方が印象に残ります。
これは、求職者側を調べた調査でも裏付けられています。キャリタスが2025年卒の大学4年生1,030名に行った調査によると、採用ホームページを見た学生は96.2%。そしてコーポレートサイトを見た学生も93.4%にのぼります(いずれも「かなり目を通した」+「目を通した」の合計)。
9割を超える学生が、採用ページだけでなく会社のサイトも見ている。私たちの実績で採用が目的でもコーポレートサイトが選ばれてきたのは、この行動と噛み合っています。
同じ調査には、もう一つ見過ごせない数字があります。デザインや情報が古いことで「関心・志望度が下がる」と答えた学生は87.8%(とても影響する26.7%+やや影響する61.1%)。学生の自由回答には「採用に力を入れていないのでは」「業務が切迫しているのかと不安になる」「デザインが古いと会社のシステムも古いのでは」といった声が並びます。
更新が止まったサイトは、何もないより印象を悪くするということです。これは採用ページに限らず、会社のサイト全体に当てはまります。
この章で確かめること:自社サイトの「会社概要」「事業内容」を、求職者の目で開いてみてください。採用ページを増やすべきか、会社全体を作り直すべきか——判断はそこから始まります。
採用専用サイトを作らない場合、コーポレートサイトで何をするのか
「過半はコーポレートサイトで解いている」と書きました。では具体的に何をするのか。採用ページを1枚足すだけではありません。
採用の入り口を、1枚から数枚に増やす。募集要項だけのページから、職種紹介・働く環境・社員の声へ広げる。求職者が知りたい順に並べ直すイメージです。採用専用サイトを作らなくても、コーポレートサイトの中で階層を持たせれば、必要な情報量は収まります。
会社概要と事業内容を、求職者の目で書き直す。ここが見落とされがちです。多くのコーポレートサイトは取引先向けに書かれています。事業内容も、実績も、信頼を得るための情報として整理されている。ところが求職者が読むと、「何をしている会社かは分かったが、自分が何をするのかは分からない」となる。同じ事業内容でも、書き方を変えれば採用にも効きます。
人が写っている素材を増やす。取引先向けのサイトは、製品や実績の写真が中心になりがちです。求職者は人を見ます。この1点を足すだけで、印象はかなり変わります。
私たちが提案書で繰り返し書いてきた診断があります。「情報はあるが、整理されていないことで価値が減衰している状態」。採用でも同じことが起きています。会社の魅力になる材料はすでに社内にある。それが求職者に届く形になっていないだけ、というケースが少なくありません。
この章で確かめること:自社サイトを開いて、「求職者が読んだら、自分の働く姿を想像できるか」を見てください。できないなら、まずコーポレートサイト側でやれることが残っています。
では、採用専用サイトが必要なのはどんなときか
もちろん、採用サイトが有効なケースもあります。実績22件が示す通りです。判断の目安を挙げます。
コーポレートサイトの改修では収まらない情報量があるとき。職種が多い、募集要項が複雑、社員インタビューや1日の流れなど掲載したいコンテンツが多い。コーポレートサイトの1階層に押し込むと、他の情報とぶつかります。
伝えたいトーンが、会社の顔と違うとき。取引先向けのコーポレートサイトは信頼感を重視した硬い作りになりがちです。一方、求職者にはもっと近い距離感で伝えたい。この2つを1つのサイトで両立させると、どちらつかずになります。
採用の担当者が、自分で更新したいとき。募集要項の変更、説明会の告知、記事の追加。コーポレートサイトの更新が広報部門の承認を要するなら、採用側で独立して動かせる方が速い。
逆に、職種が数個で、伝えたいことがコーポレートサイトの延長で足りるなら、採用専用サイトを作る必要はありません。費用は上がり、更新する対象が増えるだけです。
どんな業種が、採用サイトに投資しているか
当社の採用系実績の業種内訳です。自社に近い業種があるかの確認に使ってください。
| 業種 | 件数 |
|---|---|
| 製造業 | 7件 |
| 商社・小売・卸売 | 7件 |
| 建設 | 6件 |
| 医療・福祉 | 4件 |
| 人材サービス | 4件 |
| 交通・運輸 | 3件 |
| 不動産 | 3件 |
| メーカー・輸入車販売・商社流通・学校教育 ほか | 各2件以下 |
上位に並ぶのは製造業、商社・小売、建設、医療・福祉、運輸。いずれも人手の確保が経営課題になりやすい業種です。逆に言えば、採用サイトは「採用に力を入れたい会社」ではなく、「採用しないと事業が回らない会社」から発注されているという傾向が読み取れます。
製造業のWebサイトについては、別記事で実測データを公開しています。
費用の実勢——「採用サイト」と「採用LP」は別物
費用を調べるとき、最初に押さえるべき区別があります。「採用サイト」と「採用LP」は、まったく別の作りものだということです。ここを混ぜると、相場が分からなくなります。
採用LPは、1ページで完結する特設ページです。募集要項と会社の紹介を1枚にまとめ、応募フォームへつなぐ。採用サイトは、職種紹介・社員インタビュー・働く環境などを複数ページで構成し、サイトとして成立させるものです。
当社の受注実績(見積ベース・直近12ヶ月)を、この2つに分けて出します。
| 種別 | 中央値 | ボリュームゾーン(25〜75%) | 件数 |
|---|---|---|---|
| 採用サイト(複数ページ) | 293万円 | 247万〜327万円 | 22件 |
| 採用LP(1ページ) | 38万円 | 30万〜48万円 | 8件 |
注目すべきは、採用サイトの幅がかなり狭いことです。25〜75%が247万〜327万円。「採用サイトを作る」と決めた時点で、金額はおおよそ250万〜330万円に収まっています。
そしてこの2つの間、100万円〜200万円台の案件がほとんどありません。これは予算が二極化しているのではなく、「1ページで作るか、サイトとして作るか」という作るものの違いが、そのまま価格に出ているだけです。中間の作り方が存在しない、と言った方が正確でしょう。
この区別から言えること:「50万円くらいで採用ページを作りたい」なら、それは採用LPです。1ページで何を伝えるかに絞り込む必要があります。「サイトとして作りたい」なら、250万円前後は見ておく。この間を狙う設計は、実績上ほとんど選ばれていません。
参考までに、コーポレートサイトのフルリニューアル全般は中央値320万円(225万〜493万円)です。採用サイトの293万円は、それより少し低い水準に位置しています。
金額を決める3つの要素
この幅は、主に次の3点で決まります。
1. ページ数と職種数。募集職種ごとにページを作るか、1ページにまとめるか。ここが最も効きます。
2. 取材・撮影を含むか。社員インタビューやオフィス撮影を入れると、制作費とは別に取材・撮影の工数が乗ります。ただし、これが採用サイトの中身を決める部分でもあります。後述しますが、働く人が見えない採用サイトは機能しにくい。
3. 応募フォームの作り込み。単純な問い合わせフォームで足りるのか、応募管理システムと連携するのか。連携が入ると開発費が乗ります。
この章で決めること:見積もりを取る前に、職種数・取材の有無・応募フォームの要件の3つを社内で決める。ここが曖昧なまま相見積もりを取ると、各社の前提がバラバラで比較できません。
費用の全体像は、別記事にまとめています。
採用サイトは、どこに効くのか——正しい期待値
投資判断のために、採用サイトが「どこに効いて、どこに効かないか」をはっきりさせておきます。ここを正しく設定できれば、投資対効果は読めます。
求職者が応募に至るまでには段階があります。会社を知る → 興味を持つ → 詳しく調べる → 応募する → 内定を受けるか決める。
採用サイトが効くのは「詳しく調べる」以降です。求人媒体やスカウト、合同説明会で会社を知った人が、社名を検索して見に来る。そこで「思っていたより良さそうだ」と思ってもらう。さらに選考が進んでから、面接前に読み込む。内定を受けるか迷ったときに、待遇を確認しに戻る。
これはキャリタスの調査とも一致します。企業探しの段階で「個別企業のホームページ」を挙げた学生は18.6%と5番目。ところが志望企業の研究になると63.1%で最多になります。採用サイトは「見つけてもらう」道具ではなく、「深く理解してもらう」道具だということです。
したがって、応募者の数そのものを増やしたいなら、媒体・広告・スカウトへの投資が先です。私たちも提案では、母集団形成や短期の大量応募を「サイト単体では難しいこと」として先にお伝えしています。
では採用サイトへの投資は何を生むのか。ここが本題です。
- 媒体経由で来た人の歩留まりが上がる。同じ応募数でも、辞退が減り、選考に進む人が増える
- ミスマッチが減る。入社前に実態を知ってもらえるため、早期離職の抑制につながる
- 面接の質が上がる。企業理念を読み込んで来る人が増えれば、面接の時間を見極めに使える
- 内定辞退が減る。待遇を確認しに戻ってきたときに、必要な情報が揃っている
- 媒体費用の効率が上がる。受け皿が整っていれば、同じ媒体費用でも通過率が変わる
私たちが製造業の企業へ出した提案書でも、9社中7社が「採用力の低下」を課題に挙げていました。その中身は「求人票が弱い」ではなく、「働くイメージが伝わらず、検討に乗る前に離脱している」。まさにサイトで解ける領域です。
この章で決めること:いま応募が少ない原因が「知られていない」のか「知られているが選ばれない」のかを切り分ける。後者なら、サイトへの投資が直接効きます。前者でも、媒体費用をかける前に受け皿を整えた方が、結果的に安く済みます。
何を載せるかは、データで決められる
「作る」と決めたら、次は何を載せるかです。ここは勘ではなく、データで決められます。
求職者1,030名の調査と、私たちが運用する採用サイト12件の実測から、要点だけ挙げます。
- 待遇は入口と出口の両方で見られる。応募判断66.6%・内定承諾68.9%。検索からのクリック率も7.12%で全ページ中最高
- 事業内容は採用サイトでも最重要。応募判断66.7%・面接前72.9%。「社風」より先に「何をしている会社か」
- 企業理念は検索では読まれない(CTR0.67%)。ただし面接前には73.4%が読む。役割が違うページ
- 新卒は検索で探して来る(CTR16.63%)が、中途はほぼ来ない(1.08%)。同じ設計では届かない
これらを踏まえたページ構成、取材・撮影の進め方、実装例までは、別記事に詳しくまとめました。設計に入る段階で読んでください。
いつ作るべきか——採用スケジュールからの逆算
意外と見落とされるのが「間に合うのか」です。ここは早めに逆算しておかないと、1年分の採用を取り逃します。
キャリタスの調査によると、学生が採用ホームページを見始めるのは大学3年生の5月からで、6月にはすでに50.3%が閲覧しています。そして閲覧のピークは12月から3月で、7割前後。エントリーシート作成や面接対策の時期です。
つまり、新卒採用なら、遅くとも大学3年生の春(5〜6月)には公開されている状態が望ましい。夏のインターンシップ募集に向けて企業研究が始まるからです。
一方、制作にかかる期間はこうです。
- 採用LP(1ページ):おおむね1〜2ヶ月
- 採用サイト(取材・撮影あり):6ヶ月前後。取材と撮影の日程調整、原稿確認の往復が入るため
- 戦略設計から入る場合:8ヶ月前後
逆算すると、翌年の春に公開したいなら、前年の秋には着手している必要があります。年明けに動き出すと、その年の採用には間に合いません。
この章で決めること:「いつの採用に間に合わせたいか」から逆算して、着手すべき月を決める。すでに時期が過ぎているなら、まずは採用LPやコーポレートサイトの採用ページ改修で当座をしのぐ、という判断もあります。
発注前に決めておく3つのこと
相見積もりを取る前に、社内で決めておくと精度が上がります。
1. 何を解きたいのか。応募数を増やしたいのか、ミスマッチを減らしたいのか、内定辞退を減らしたいのか。この3つは打ち手が違います。応募数なら露出、ミスマッチなら情報の具体性、内定辞退なら入社後のイメージ形成。
2. 誰に向けるのか。新卒と中途では、見たい情報も、響く言葉も違います。両方を1つのサイトで狙うと、どちらにも届きにくくなります。
3. 公開後、誰が更新するのか。採用サイトは、募集要項の変更や説明会の告知など、更新が発生します。更新できない体制で作ると、1年後に情報が古いまま放置され、かえって印象を悪くします。
制作会社の選び方そのものについては、別記事に詳しく書きました。相見積もりの全社に投げるべき質問も載せています。
実際の事例——記事で書いたことが、どう形になったか
ここまで書いてきたことが、実際の案件でどう形になったのか。公開している制作実績から、この記事の論点に対応するものを挙げます。
コーポレートサイトで、採用課題を解いた
この記事の中心に置いた「採用専用サイトが答えとは限らない」の実例です。求人メディアでは伝えきれない会社のリアルな魅力を、コーポレートサイトのリニューアルで伝えるという設計にしています(製造業)。

製造業/目的:採用強化・ブランディング
応募数ではなく、ミスマッチを減らす目的で作った
「サイトができるのは検討に乗るところまで」と書きました。採用媒体から来た人のミスマッチを抑え、質の高いエントリーを引き出すことを目的にした事例です(不動産)。母集団形成は媒体が担い、サイトは選別と納得の役割を持つ、という分担がはっきりしています。

不動産/目的:採用強化・ブランディング
新卒と中途を、分けて作った
「誰に向けるのか」で書いた論点の実例です。同じ企業で新卒向けと中途向けを別々に構築しています(商社・小売)。見たい情報も響く言葉も違うため、1つにまとめず分けた判断です。
理念・パーパスから設計した
キャリタスの調査で「企業理念・トップメッセージ」がES作成時・面接前に73.4%と最も読まれていました。長期ビジョンやパーパスに共感する人材の獲得を狙って、そこから設計した事例です(製造業)。

製造業/目的:採用強化・ブランディング
医療機関で、対象者ごとにサイトを分けた
職種の性質が大きく違う場合の例です。看護部と臨床研修医で、それぞれ独立した採用サイトを構築しています(医療・福祉)。求める人材像も伝えるべき情報もまったく違うため、統合せずに分けています。
この他の事例は、制作実績のページで業種や目的から絞り込んでご覧いただけます。「採用強化」を目的に含む案件だけを抽出することもできます。
見積もりで必ず確認する、採用サイト特有の項目
採用サイトの見積もりには、コーポレートサイトにはない確認事項があります。ここが曖昧なまま契約すると、後で追加費用か、品質の妥協になります。
取材・撮影の範囲
「取材・撮影込み」と書かれていても、中身は会社によって全然違います。次を数字で確認してください。
- 何名にインタビューするか。3名と10名では工数がまるで違います
- 撮影は何日か。1日で全部撮るのか、部署ごとに分けるのか
- 原稿は誰が書くか。ここが最も揉めます。取材はするが原稿は御社で書く、という見積もりは珍しくありません
- 撮り直しは何回まで含まれるか
先ほど「取材・撮影の有無で100万円前後の差が出る」と書きました。その差がどこから来ているのかを、この4点で分解できます。
写真と原稿を、他の用途に使えるか
見落とされがちですが重要です。撮影した社員写真やインタビュー原稿を、求人媒体・会社案内・SNSにも使えるか。
採用活動では、同じ素材を複数の場所で使います。「このサイト限定」という契約だと、媒体に載せるためにもう一度撮影することになります。契約書の権利の項目を、公開前に確認してください。
公開後、誰がどこまで更新できるか
採用サイトは、コーポレートサイトより更新頻度が高いのが特徴です。募集要項の変更、説明会の日程、募集終了の切り替え。年に何度も発生します。
確認すべきは「どこまで自分で更新できるか」です。募集要項のテキスト変更はできるが、新しい職種の追加は制作会社に依頼、というケースもあります。更新のたびに費用と時間がかかる設計だと、情報が古いまま放置されます。
そして情報が古い採用サイトは、何もないより印象が悪い。「募集終了」のまま何年も置かれている求人ページは、求職者に「動いていない会社」という印象を与えます。
なお、公開後の運用という意味では、セキュリティの更新も同じ話です。作って終わりにしない体制については、こちらに書きました。
よくある質問
採用サイトを作れば、応募は増えますか?
増えるとは言えません。私たちは提案の時点で、母集団形成と短期の大量応募を「難しいこと」として明示しています。サイトができるのは、求職者の検討に乗るところまでです。会社を知られていない状態なら、媒体や広告が先になります。知られているのに選ばれていないなら、サイトで解ける可能性があります。
コーポレートサイトと採用サイト、どちらを先に作るべきですか?
当社の実績では、採用を目的とした53件のうち35件がコーポレートサイトとして作られました。求職者は採用ページだけでなく、会社概要や事業内容も見ます。会社全体のページが古いなら、そこから手をつける方が効く可能性があります。ただし職種数が多い、伝えたいトーンが違うといった場合は、採用専用サイトが適しています。
費用はいくら見ておけばいいですか?
作るものによって変わります。複数ページの採用サイトなら中央値293万円(247万〜327万円)、1ページの採用LPなら中央値38万円(30万〜48万円)です。この2つは別物で、中間の価格帯はほとんどありません。まず「サイトとして作るのか、1ページで作るのか」を決めてください。金額を左右するのは主に、職種数・取材撮影の有無・応募フォームの要件の3つです。
取材や撮影は、必ず必要ですか?
必須ではありませんが、働いている人が見えない採用サイトは機能しにくいというのが実感です。求職者が知りたいのは「自分がここで働く姿を想像できるか」で、それは文章だけでは伝わりにくい。予算が限られるなら、ページ数を減らしてでも人が写る素材に配分する方が、結果は出やすいと考えています。
なぜ制作会社が「作らなくていい」ケースまで書くのですか?
目的に合わない発注は、公開後にお互い不幸になるからです。採用専用サイトを作ったのに見に来る人がいない、という状態は誰も得をしません。実際、当社の実績でも過半はコーポレートサイトで採用課題に向き合っています。その事実を伏せて「採用サイトを作りましょう」と言う方が、私たちにとっては短期的に得ですが、長い目で見れば信用を失います。
まとめ
- 採用サイトは中央値293万円・247万〜327万円、採用LPは中央値38万円。この2つは別物で、中間の価格帯はほぼない。まず「サイトか、1ページか」を決める
- 採用専用サイトが答えとは限らない。当社で採用を目的とした53件のうち、採用サイトは22件、コーポレートサイトが35件
- 採用は「会社の見え方」の問題。53件中39件がブランディングと同時に設定されていた
- 学生の93.4%はコーポレートサイトも見ている。デザインや情報が古いと87.8%が「志望度が下がる」と回答(キャリタス調査)
- サイトができるのは「検討に乗る」ところまで。母集団形成そのものは媒体・広告の領域
- 載せる中身はフェーズで変わる。待遇は応募判断66.6%・内定承諾68.9%で突出、事業内容は全フェーズで高く、企業理念は面接前に73.4%
- その上で差がつくのは、働く人が見えること・仕事の具体・都合の悪いことも書くこと。ここは御社の中にしかない
- 見ているのはスマホとは限らない。PC中心44.3%がスマホ中心31.0%を上回る
- 発注前に決める3つ:何を解きたいか/誰に向けるか/誰が更新するか
採用サイトは、作れば必ず応募が増えるものではありません。ただ、正しく設計すれば、いま媒体にかけている費用の効率まで変わります。同じ応募数でも辞退が減り、面接の質が上がり、内定承諾率が上がる。採用単価で見れば、十分に回収できる投資です。
そして時間が最大の制約になります。取材・撮影を含む採用サイトは6ヶ月前後かかり、学生は大学3年生の6月にはもう見始めています。間に合わせたい採用の時期が決まっているなら、逆算して動く必要があります。
ご相談いただければ、御社の場合は採用専用サイトとコーポレートサイトのどちらが適しているか、必要なページ数はどれくらいか、いつ着手すれば間に合うか——ここまで具体的にお伝えします。すでに他社の見積もりをお持ちなら、その内容が妥当かを一緒に見ることもできます。
公開している制作実績は、業種や目的で絞り込んでご覧いただけます。近い業種の事例を見てから、お気軽にご相談ください。















