ホームkeyboard_double_arrow_rightナレッジブログkeyboard_double_arrow_right【目的】についてあえてじっくり考えてみる

【目的】についてあえてじっくり考えてみる

1shiharat
  • その他
公開: 2017.09.01 更新: 2022.01.17

こんにちは。石原です。

今回は以前社内の勉強会で話した目的について、記事としてまとめてみました。

なかなか変な内容になっていると思いますが、もし興味がある方は最後まで読んだいただけると幸いです。
なお、妻に見られると土下座する必要がでてくる可能性があるので、もしリアルで知り合いの方がいらっしゃいましたら、お口にチャック、決して告げ口しないようにお願いします。

生命保険での一件

僕は掛け捨て型の生命保険に加入しています。
加入してからまだ8ヶ月程なのですが、妻から貯蓄型の生命保険の方がいいのではないかという提案がありました。
なんで?と聞くと、以下のレスポンスがありました。

  • ママ友から言われた。
  • 本にも書いてあった。

掛け捨て型の生命保険では、今僕が死ぬと8,000万程 (分割受取で月々17万円)が妻に保証されます。
掛け捨て型の生命保険にした目的は、【万が一の時のための保障のため】でした。

貯蓄型ですと3,000万円程度が限度でしょう。
これでは万が一、なにかあった場合、とても生活できる金額ではありません。

もちろん、保険を契約した際に話したはずです。

当初の目的を話した上で、貯蓄型生命保険では達成できないであろうと伝え、年を重ねる度に僕が死んだときのリスクは下がるのだから、5年、10年というスパンで見直そう。という話で決着は付きました。

人は目的を見失うことがある

なんでこんな話をしたかというと、目的忘れることあるよねーということに対して、皆さんの身近なところで感じて欲しいからです。

きっと、個人の意見の齟齬には、目的が関連しているのであり、それが目的自体が双方違うことによる食い違いであればまだいいのですが、目的の解釈が違うことが原因なこともあります。

  • 認識していた目的がお互いに違う
  • 当初の目的が、うわべの情報に隠されてしまう

これは、今回例に上げた僕達夫婦だけの問題ではないのです。

僕らが存在する社会では、往々にしてこのようなことが実際に起こっています。

いつの間にかプロジェクトが完了することが目的になる

目的は、非常に重要な概念だと思います。目的がなければこの世のあらゆる論理的な行動は発生しないからです。

ただし、それとともに欠陥があります。
最大の欠陥は、目的は物事が動くきっかけにすぎず、動きはじめたら目的がなくともそのまま動き続けることです。

この世の中の数多くの事柄にも同じことが言えるのではないでしょうか。
生命保険の話にしろ、普段僕らが理性的な活動をする時には、目的を忘れてしまったり、目的についてそもそも考えていなかったりすることが数多くあります。

これは、私達が普段関わっているWeb関連のプロジェクトでも同じことです。

むしろプロジェクトの目的がはっきりしていないことも多々あります。

そのようなプロジェクトの場合、ほとんどは完了してもそれほど意味のないものになるか、途中から完了することがプロジェクトの目的にすり替わります。

プロジェクトにおいて最も重要だと仮定したのは「適切な目的の設定」と「目的の運用」です。そもそもこれが決まっていなければ、プロジェクトの存在意義もはっきりしないのです。

目的の構造論

では目的、それも適切な目的を設定するにはどうすればいいのでしょうか?

目的の定義

まずは目的を定義してみます。

A のために Bをする。と主張する際の A を指す

上記の定義におけるBには手段や方法、目標がはいります。

人が、 〜 のために B をする という文脈で使う時、〜のために というのが目的になります。

〜したい、〜なりたいという文脈で使う言葉は、ここでは願望として前提から省きます。

さて、ここをスタートに考えた時、僕はある一つの法則のようなものがあるのではないかなと考えつきました。

目的は方法になり得る

例えば、次の例を見てみましょう。

死んだ時のリスクを保障するために、生命保険に加入する

この場合の目的は、「死んだときのリスクを保障する」です。「生命保険に加入する」は目的を達成するための方法ですね。

では、次はどうでしょう。

自身がいない世の中でも家族が苦労なく生活できるために、死んだ時のリスクを保障する

ちょっと長いですが、
「自身がいない世の中でも家族が苦労なく生活できるために」 が目的で、

「死んだ時のリスクを保障する」が目的を達成するための手段になっていることがわかります。

先程の目的が、今度は手段として述べられていることがわかります。

これが目的が方法になり得るということです。
目的は単一で存在しているのではなく、その目的にも目的があり、目的の目的を考えるときは、最初の目的は方法になる、ということです。

目的という単語がゲシュタルト崩壊しそうですが、進めます。

目的の構造化

目的は方法になり得るということを仮定すると、
目的は構造体としてツリー形状に存在していることが想像できます。

目的を上へ上へ考えていくと目的を深めることができ、
下へ下へ考えていくと、目的達成のための手段を考えることになります。

上昇法と下降法

この目的を上へ上へと考える方法を仮に上昇法と名付け、下に下に手段を考えていくことを下降法とでも名付けましょう。

上昇法は、簡単です。「なぜ?」「なんのために?」をひたすら繰り返していけば良いのです。
これにより、自然と目的を深くまで上り詰めていくことができます。

下降法については、手段を考える、企画型のプロジェクトでいうと戦略を考える、とも言います。
選択肢を洗い出し、検証し、決定するプロセスです。

上昇法の限界

上昇法の限界は、行き着くところは人の感性に落ち着きます。

極端な例ではありますが、「Webサイトをリニューアルする」ことの目的を上昇していくと、
「社内、社外の利害関係者の生活欲求・社会的な欲求を達成するために」ということが目的としてでてきました。

正しいのかも知れませんが、ここまでくると正しかろうと、目の前のプロジェクトにはあまり重要ではない目的を見つけてしまいます。

目的構造体のどこを起点とするか

旅館の例で言うと、「コンバージョン数を増やすために」という目的が、最も現実的だと感じます。

でも、本当にそれであっているのでしょうか?

「客室稼働率を増やすために」という目的から考えた時に、果たしてできることはないのでしょうか?

例えば、客室管理のシステムを変えたり、リアルタイムで空き状況を反映したり、イベントを企画したり、チラシを作ったり、一概にもコンバージョン数を増やすことだけが方法ではない、Webサイトをリニューアルすることだけが方法ではないことがわかります。

つまり、起点とする目的の位置を変えることで、そこから下降するときの選択肢も変わるということです。

目的を構造として考え、洗い出し、起点を設定する。
このことが大切だと最近感じています。

まとめ

 

なんだか、読んでくださった人の中には当たり前だと思っている人もいるかも知れませんし、間違っているとか、こっちの考え方の方がいいと考える方もいるかもしれません。

ただ企画やら提案を考える時に、クライアントさんからヒアリングした目的を上昇法で考え、洗い出し、適切な目的を設定し、下降法で選択肢を洗い出すという考えは、結構思考方法として今のところしっくり来ています。

逆に他の目的に対するアプローチなありましたら是非教えて欲しいです。

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